朝生脳内反省会

ご視聴いただいたみなさまには、ありがとうございました〜。
終わってみてしみじみ思うのですが、「若者不幸社会」というタイトルが、そもそも難しかったような気がしました。
不幸というのは、主観的な要素が多分に加味されるので、客観的定義が難しい。
なので、そもそも混乱を前提にしていたのかな、と思えなくもないのですが(笑)。


世代会計的に考えれば、若年層ほど、受益と負担のアンバランスさから「不平等」です。
うちの息子なんて、もう、このままの制度設計で行けば、生涯所得の半分を「負担」にしなくちゃならないし、それは今のうちから問題点を正して行かなくちゃならない。
持続可能性、つまり次世代に負担をかけることなく現在の世代のニーズを満たすこと、を考える必要性は言うまでもありません。
ただ、これを「不幸」である。つまり、幸福観の問題と同列に並べるのは難しかったかなあ、と。
もちろん、若年層が不平等に気づかず、政治的意識も希薄というのは問題ですが。


したがって、タイトルを意識して「幸福」を軸にするとすれば、議論の流れとしては。
・現行の社会設計における、世代間の不平等の是正(若者や次世代の幸福の「足を引っ張らない」ために必要なこと)
 ↓
・雇用創出や新しい産業を興すための方途と、(技術やコミュニケーションの変容を基盤とした)幸福観や労働観の文化論的転回
 ↓
・日本的クリエイティブ・クラスや知識経済社会に向けての可能性


あたりにもっていければ、メンバー的に、もっと面白い話が聞けたかなあ、などと思いつつ。
知識経済社会については、私も前にこんなん書いてますが。
 ↓
http://bisista.blogto.jp/archives/1312913.html
でもまあ。
こういうのは、なかなか本にならないですね〜。
クリエイティブ・クラス論なんかを交えて企画書書いても、あんまり通らないですしね〜(涙)。
もっとすぐに役立つタイプの本しか求められてないのかな〜、と思ったりすることは多いんですが。
女性向け本も、ダイエットとかスピリチュアルとか、そういうのしか通らないですね〜、と言われたりすることは多いです(号泣)。


福嶋さんが「村」って言ってたのは、面白いですね。
アイデンティティの基盤になり、かつ身の丈にあった規模で、帰属意識をもちやすいレベルのコミュニティは、今後ますます重要になると思います。
ただ、いわゆる旧来の「村社会」が、女性や子どもなどを中心とした抑圧の構図を抱えていたため、その問題点は、見直しておかないといけない。
コミュニケーション形態が変わったら、コミュニティのあり方も変わらざるを得ないですし。
たぶん、その点についての見方が、一番世代間ギャップがあったように思いました。


コミュニティの課題としては。
たとえば地域社会は、結局身の丈にあったコミュニティというと、結局学区くらいが目安になるとよく言われますが。
学区というのは、とりわけお母さん方には逃げられない(=退出困難な)コミュニティで、それが心理的にかなり負担になったりもするので。
子育て支援NPOのママさんたちのお話聞いてますと、学区の息苦しさから、こういうところにくる人もいましたね。
また、まちづくりにちょっとだけ関わっていると、今度は地元商店会を繋ぐ難しさみたいなものにもぶち当たりますし。


コミュニティが退出困難さを内包すると、そこはもう、旧来の村社会になってしまいます。
それは避けたい。
このため。
「新しい、多様で、個人の身の丈にあった、参加も退出も容易なコミュニティ」を創出する必要性については、以前から言っていたのですが。
それ言ったら、なぜか田原さんには、「まったくの理想論」とけんもほろろでした〜(笑)。
これは理想論ではなく現実に必要だと思いますし、現にいろいろと参加しているんですが。
あ〜、この方。
……福嶋さんほめてたのは、結局、「新しい若者風俗」を興味本位で見てるレベルか〜、本質は全然見えてないんだな〜と思い。
がくっときましたが。


あとは。
大学に関しては、カリキュラムの問題と、そもそも最短修学年限で速やかに通り過ぎられる「就職予備校」と化している現状の問題は、もう少し分けて論じられればよかったかな〜、とか。
勝間さんの「インフレ・ターゲットすれば万事解決」論は、もっと早めに切り上げていただけるよう努力すべきだったかな〜、とか(笑)。
それに、「主役」の山野さんが、いろいろフリップ作ってきていたので。
出しましょうよ〜、使いましょうよ〜、そんでもって漫画の話もしましょうよ〜、とせっついたのですが。
これもなかなか難しく。
いや、そもそも私は、司会でもなんでもないんで気にする必要はないんでしょうが。
しかし、もったいなかったかな〜、と。
あのメンバーなら、もっと面白い話聞けたのにな〜、などと。
脳内反省会開きつつ、帰ってまいりました〜。


まあ、でも。
楽しんでいただけましたら幸いです。