「AERA」8月3日号に寄稿しました〜!

aera-net.jp

昭和妻特集です。

昭和妻とは、昭和(基調は高度成長期)的価値観を固持するマダムのことですね〜。マイホーム・マイカー命、の専業主婦のみなさまだそうです。

え〜、「VERY」とかお読みな層なんでしょうか〜。

あ、でも「AERA」なんかはお読みにならなそうですね〜。

や〜。

この雑誌は、この層のマダムに、ツッコミ満載なんですが。

でもねえ。

おもらいになった旦那様たちは、彼女たちの専業主婦志向で家庭志向で依頼心の強いところを、「いいお嫁さんになりそうなタイプ」と思って、選んだはずだと思うんですけどね〜。

どうなんでしょうね〜。


近年、内閣府の調査なんかでも、20代女性の「性別分業」肯定派が増え(なんと、30代〜50代よりも多いんです)、保守化・専業主婦願望が再燃しているわけですが。

これを、おじさまたちは「感心感心、フォッフォッフォッ」というかもしれないんですが、さにあらず。

若い女性は、別段、「家事・育児を引き受けつつパート労働に勤しむ主婦」になりたいわけじゃないんですよ〜。

ガーデニングなどを楽しむセレブ妻」になりたいんですよ〜。

というようなことを書いたのですが。

長すぎて、そこはカットになりまして。

というか。

最初に出した原稿が長くってですね〜(ごめんなさい)。

週刊誌なんで、字数が厳しくって、かな〜りカットに(初稿の3分の1くらいでしょうか〜)なりまして。

論点は、以下のとおりなんですが。


(1)世代論的視点

・昭和妻的特性をいかんなくはっきできたバブル世代より上を「純正昭和妻」、それより下の若い世代ながら、経済社会構造の変化にもかかわらず昭和妻化した世代を「リバイバル昭和妻」と命名。その特性差を分析。
・経済構造の変化に比して、人々の生活観念・幸福観の変化は遅く、一世代前(自分の生育環境)を基準とするため、時代の変化が激しいときほど、落差が大きくなる。

→ここ、半分以上カットになっちゃいました〜。「リバイバル昭和妻」の語だけ、本文で使っていただいたようですが。


(2)若い女性の専業主婦願望再燃など「保守化」の背景を分析

・いまだ根強い女性の上方婚志向を検討。

・女性の雇用環境の悪さ、低待遇から、男性の稼ぎをあてにせざるを得ない現状も。

・ある時代が終わろうとするとき、人々はそれに恐怖し、過剰なまでに過去の理想的な状態を模倣しようとする。「リバイバル昭和妻現象」は、この好例かもしれない。

→この最後の部分は残りました。


(3)戦後のマイホーム志向の再検討

・高度成長期に起きた激しい社会移動のため、農村の若年層はいったん故郷の土地を捨てたが、日本人の土地信仰はそっくりそのまま、マイホーム信仰へ「宗旨替え」された。

・これは、日本の家制度ではなく、アメリカ型マイホームを主体とする核家族型ライフスタイルをモデルとしているので、昭和妻の脳内には、「奥様は魔女」のサマンサが住んでいるにちがいない等。

→カットになりました〜。


(4)草食系男子考察

・草食系男子と昭和妻は水と油でまったく合わない。ゆえに非婚化は今後も進む……かも。

・草食系男子が目立つようになってきたのは、製造業的マッチョな男性像が時代に適合的でなくなったから。

→経済社会構造の変化にともなう、男子界の文化論的転回か。

・今後日本が世界の中で存在感を発揮しつづけるためには、高付加価値商品を持続的に生み出し得るような、成熟した知識経済社会への移行が望ましいのではないか。

→これは、高度な技術、クールな製品、そして持続可能で合理的なシステム、以上を生み出し得る、社会文化水準の高い社会とも言える。

※「週刊ビジスタ」に書いた内容と、ちょっとかぶりますね〜。→SBクリエイティブ

・高感度な次世代型産業に適合的な草食系男子は、昭和妻に捕獲されて、マイホームなどを買わされ、実力を発揮できずに終わる人生はまっぴらなので、つかまらないように擬態しているのではないか。

→この最後の部分だけは残りました。


※以下、さすがにちょっと脱線したので入れられませんでしたが、草食系男子とのからみで。

ここは、今書いている新書に少し入ります〜。女子カルチャー論についての本なんで、男子カルチャーについては、あんまり長々書けませんが(笑)。

・日本では、欧米型異性愛中心的なカップル文化の成熟をみたことがない。

→そもそも、女性をエスコートすべしという男子カルチャーが成立したことがないので、性欲および、女性をはべらすことがカッコいいという自己顕示欲がシュリンクすると、いきおい女性に「お作法」としてアプローチすることもなくなるのでは。

・でもヤンキーは? ケータイ小説は? 草食系はいないよ(笑)?

→つまり、男性が草食系化したことをぼやく女子の階層は、非ヤンキー・高学歴・アッパー層。

→「男子に物申せる中上流階層の女性」の周囲の男子が、草食系化しているということか。

→要検討。


(5)ポスト昭和妻と平成サバイバル家族論

・かつては、持ち家にパッケージングされた「標準世帯」におさまりさえすれば、自動的に幸福な家族生活がついてくるとされた。

・だが現在では、かつて幸福を約束したものも、単なる負債になるかもしれない。

→つまり、幸福になるための投資が、元本割れ(その投資に見合った成果=幸福が得られない)する可能性が高い社会だ、と言える。

・農耕民族への先祖がえりが昭和妻だとしたら、ポスト昭和妻はノマド的になって生活を見直してみよう!

・これからサバイバルするには、所有にこだわらず、合理的に居住地域を選択し、ライフステージにあわせて身軽に移動しつつ良好なソーシャルキャピタルを築く「情報処理能力」「機動力」が必要。

→たとえば、子どもが幼児期には、幼稚園や保育所が利用しやすく費用補助が手厚い地域に住む。義務教育期には、公立でも高レベルの教育を受けられ、図書館などの文化資源が豊富で、できるだけ児童医療費無料対象年齢が高い市区町村に住む。「土に触れたい」ということならば、通勤に便利な都心に部屋を借りつつ、クラインガルテン(滞在型市民農園)などを利用して二地域居住し、低コストで豊かな生活経験を満喫する。高齢化するころには、高齢者福祉が手厚く、バリアフリー化が進んでいて、買い物至便で、自動車に頼らず生活しやすいコンパクトシティに住む。あるいは、高齢者同士お互いさまで助け合えるコーポラティブハウスに住む、といった具合。

→カットになりました〜。


というような次第で。

かな〜りカットが多いので〜。

どのポイントでも、書かせてくださるというありがたい媒体さま、いらっしゃったらどうぞよろしくお願いします〜(笑)!