大五郎語増殖中です。

わが一子大五郎(仮名)は、おかげさまで1歳10か月になりました〜。
読売ウィークリー」で「無宿渡世母がゆく」を連載しているときが、1歳2か月まででしたが。
あのころは。
「赤ちゃん」
というかんじだったんですが〜。
もはや。
「ちっこい人」
……ですね。


でも、言葉が遅くってですね〜。
いっしょうけんめい、絵本を読んであげたりしているんですが〜。
「自分語」主体です。
まあ、言うなれば、彼オリジナルの「大五郎語」みたいなものでしょうか。
敬愛する伊藤比呂美さんは、娘さんの言葉を「カノコ語」ってよんでましたね〜。
それが、普通の人間語になっちゃうと、つまらないのよ〜、とも。
でも。
うちの場合。
もう、2歳も近いというのに。
……大五郎語ばっか。しかも、増えたのは、食べ物に関する言葉ばっか(涙)。


たとえば。
おいしいものは、「がぶん」。
すごくおいしいものは、「がぶんにゃ〜」。
おいしすぎるっ、よこせっ!は、「がぶんがー!」。
大好きなものは、「だいてぃこー」。
単語も増えたんですが。
ここ2か月の間に増えた語彙は、すべて食べ物に関するものばっかりです……。
最近は、「あいちゅ」(←アイスのことですね)と騒いで大変です〜(涙)。
あげたくないんですがね〜、おなかをこわすとまずいし。
でも。
毎日毎日、暇さえあれば。
台所に走ってきて、冷凍庫を指差し。
「たいたい! たいたい!」(←食べたい、の意味です)
眉をハの字にして、もーそれはそれは情けない顔で、泣きそうな声で、たいたいたいたいたいたい〜!
と言いつづけるんですね。
根負けして(←ダメ親)、スティックのアイスキャンディーをほんの少しばかりくだいてあげて、残りは自分で食べているんですが〜。
そのせいでしょうか。
私のほうが、おなかが……。


まあ、そんなこんなで。
日常的に、以下のような感じになります。
「あいちゅ! がぶん! だいてぃこー! たいたい!」
訳:私はアイスクリームが美味しくてなりません。大好きです。食べさせてください。
「んごちゅ! でごぶん(←食べ物は「がぶん」、飲み物は「でごぶん」です)、だいだいてぃこー! でごぶん!」
訳:私はりんごジュースが飲みたいです、大変に好きです、飲ませてください。


……こんな感じの、宇宙人語です。
外で、これにあわせて会話していると、宇宙人と間違われて、キャプチャーされそうです……。
最近、「現代詩手帖」連載中の「FULL L(ふるえる)」が、どんどんこれに引きずられて、ひらがな多量化、くりかえし多量化してきているような気がします〜。
ああ、作風が……。
いや、もともとそんな、ごたいそうなものではないんですが、幼児の語感って強力ですね〜。


ともかく。
こんなんじゃいかん!
と思い。
絵本を読みきかせたりしているんですが〜。
効き目があるんだか、ないんだか。
先日、五味太郎の名作、「きんぎょがにげた」を読み聞かせていたのですが。

きんぎょが にげた (幼児絵本シリーズ)

きんぎょが にげた (幼児絵本シリーズ)

これは、絵の中に、ピンク色のきんぎょがひらひらまぎれている本でして。
カーテンの模様とか、植木鉢のキンギョソウとか、テレビの中とか。
いろ〜んなところにいて、見つけるたびに子どもがはしゃぐので、おすすめなんですが〜。


それはともかく。
いつものように。
「きんぎょちゃんどこ〜?」
と聞いたところ。
向こうに行ってしまいまして。
どうしたのかな? と思ったら。
以前、知人からいただいたマグネットのおもちゃを、シートにはっつけてもってきまして。
それが。
ものの見事に。
……黄色いマグネットばっかり。
大五郎。
それは、「きんぎょ」じゃなくて、「きいろ」なのだよ……。
でも。
「これでしょ! これでしょ! これでしょ! ほめてほめてほめて!」
という顔で「がー!」(←感極まったときの大五郎の発話)と言われると、ほめていいのか、正したほうがいいのか……。
幼児ワールドは、謎ばかりでございます……。