東京コロニー

ひばりが丘団地に行ってきました〜。
最近、団地の資料をぼちぼち集めておりまして。
来年、某大学にて「身体とデザイン」という講義をやるので、それ用です。
建築をはじめとした居住空間のデザイン、とりわけ集合住宅はいい資料になりますので。
ほかにも、ファッションとか、スポーツとか、ロボットとか、ネタはいろいろあるんですが。
多岐に渡る資料が必要なので、今のうちから、時間を見つけては少しづつ集めておこうかと(笑)。
ビジュアル資料があったほうが、学生には分かりやすいと思うので。
↓写真は、「スターハウス」です。

採光をよくし、景観にもアクセントがつく、という建物ですね。
一子大五郎(仮名)に手を引っ張られながらで、若干下の道路まで映りすぎましたが(汗)。
現在は、ここ1棟だけ保存され、ひばりが丘パークヒルズ管理サービス事務所として使われています。
それにしても。
古いテラスハウスが並び、空の広い巨大空間は、スペース・コロニーみたいで、感慨深かったです。
番号が振ってあるところとかも……。
こんな幻聴が聴こえてきそうです。
「人類が増えすぎた都心の人口を郊外団地に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎていた。都心部の周りの巨大な人工団地都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった」などと……。
日本の建物は、平均25年もすれば建て替えられてしまいますが、ここは古いものは1959年築だそうで。
よく残っているな〜、と思いますね。
まさに、半世紀。
建て直しが進んできているので、今のうちに見ておいたほうがいいかもしれません。
それにしても、団地は興味深いですね〜。
まさに、製造業的世界観の体現というような。
しばらく住んでみて、どんな具合か書いてみたいくらいです(笑)。


空き部屋が目立つのは、建てかえのせいでしょうか。
高齢者も目立ちました。
日本の郊外型ベッドタウンも団地も、住民の新陳代謝が上手く行かず、人口が高齢化しているところが多いのですが。
あと、共産党のポスターも目につきました。
考えたら、こういった場所では、既存の農家などのような土地も地縁関係ももたず、1からソーシャル・キャピタルを築かねばならない人ばかりが集ってきたわけですよね。
バスなど公共交通網整備なども、運動で勝ち取ってきたような。
だから、革新が強いのか〜。
新しい物理的住環境は、新しい社会環境を要請してしまうのか〜。
などと。
感心しながら見て回りました。


ほかに、感慨深かった点ですが。
大五郎をつれていたせいでしょうか。
住民の方に、やたら声をかけられるんですね〜(散歩中の母親に見えたらしいです)。
それも。
「まあ、な〜んて可愛いのかしら!」
などと。
……こちらが恐縮してしまうくらいの、お褒めにあずかることしきり。
大五郎。
……調子にのること、このうえなし(汗)。
もしかしたら。
こういう「誰もが故郷を離れて新しく移住してきた人ばかり」という歴史をもつ場所って。
新規の家族連れ(とりわけ子連れ)には、オープンな風土があるのかもしれません。
できるだけコミュニケーションをとって、うまくやっていこうという……。
既存の農村型地域社会や、町内会などとは、異なる種類のものを感じました。
願わくば。
この雰囲気は、建物が新しくなっても引き継がれて行きますように……。
そんなことを考えながら、帰途につきました。