また、昭和妻特集にちょこっと載ってます。それと、リーディング告知〜。

本日発売の「AERA」は、また昭和妻特集が載っているようです〜。
今回も書きましたが、ひとこと分以外カットになっちゃいましたので。
それ以外に何書いたか、メモっておきます(半ば備忘録)。


論点は、以下の通り。
(1)草食系男子に代表される男子カルチャーの転換と経済社会構造
・最近の変化として、女子カルチャーより男子カルチャーのほうが速く根本的なように見えるが、これはどのような要因からか、分析。
→20世紀の製造業的マッチョな男性像が、今日不適合になったことの現われか。
→草食系男子現象は、見方を変えれば、経済社会構造の変化によってもたらされた文化論的転換の一表現形態かもしれない(って、週刊誌なので、こんな言葉は使ってませんが〜)。
→男子は、女子より一足先に、この低温経済状況への適応を行っているのでは。


(2)昭和妻化(保守化)する女子の側の理由
・女子は男子に比べ、社会(公的領域や市場など)よりも、家庭(私的領域)に存在意義を見いだすよう育てられる。
→縮小傾向の経済環境に適応するよりも、自分にとって快適な家庭環境を手に入れるほうが、よほど重要。
・一般に女性の被雇用者は、待遇も平均賃金も男性より低い。とくに派遣法改正以降、女性の非正規雇用者は増加、近年では過半数を超えている。リーマンショック以降、女子学生の就職状況は男子以上に冷え込み、就業に希望をもてない者も増加。
・まだまだ家事育児などの負担は重く、就労との両立は難しい
→「社会より家庭に所属すべし」が、世間一般の女性に対する暗黙の要請。
→配偶者の男性への経済的期待値は高まる一方。
※この部分だけ、使っていただきました〜。


(3)夫婦役割分業のリスク化
・高度成長期は、「稼ぎ手の夫―専業主婦」カップルを中心とした社会設計と、個々人の生活観・幸福観が、類稀なほど合致した時代。
→だがこのようなあり方は、「生活面に関心をもたない男性」と「経済面に関心をもたない女性」の組み合わせを、大量に生み出した。
→家庭経営のリスク化。
①「家計リスク」を高める……というのは、前回の特集で論じられた通り。
②「生涯未婚リスク」を高める
・「結婚=男性の経済力に依存した生活」という価値観は、若年男性の雇用環境悪化により、あっけなく未婚・非婚リスク(要するに、好き好んだ非婚ではなく、「結婚したいのにできない」人生を強要される人が増えた)を高めた。
③「離婚リスク」を高める
・「家族「互いに家庭の半面しか関心をもたない男女」の組み合わせは、景気の悪化にともなってあっけなく離婚リスクを高める。
→なぜなら、夫は「こんなに厳しい経済状況で苦労して働いているのに、妻は要求と不満ばかり」という不満が、妻は「こんなに一生懸命家事や育児をこなしているのに、夫は理解も稼ぎもない」という不満が高まりやすいという問題があるから。
④男性の好む「いいお嫁さん像」もまたリスク
・個人的に、昭和妻の伴侶にぼやく中年男性に、実はあまり同情できないな〜(笑)。
→だって、彼らは、現・昭和妻を、かつては「いいお嫁さんになりそうなタイプ」と思い、喜んでもらったはずだから〜。
→日本の男性は、自己主張が強く自立心旺盛な女性よりは、家庭的で可愛らしい女性を、結婚相手として好む傾向ありじゃないですか。
→でも、この女性の好み自体が、リスク。なぜなら、「家庭的」とは、「自分で稼ぐよりは専業主婦志向」となり、「可愛らしくて守ってあげたいタイプ」は、「依頼心が強く夫に人生丸投げ」となりがちなんですよ。
→一方、「家庭に収まるより仕事」で、「自分の人生は自分で決める」タイプは、総じて「負け犬」になりがち。不条理……。


(4)幸福のリスクマネジメントと家族行動
・今後のオルタナティブとしては、かつての「幸福な家族像」にこだわらない、柔軟なライフスタイル選択こそが、上述のリスクを回避するのに必要。
→幸福のリスクマネジメント時代へ。
・昭和妻は、かつての農耕民族的価値観がアメリカ型マイホーム信仰へ変換されたもので、いわば「農耕民族」。
→ポスト昭和妻は、遊牧民的に、所有にこだわらずライフステージにあわせて居住地を変えることも視野に入れるべきでは。
→夫婦の間でも、生活上何を最優先事項にするのか、つねに話し合い戦略をたてる「チーム力」がほしい。
・若年男性層の趣味嗜好は、合理的で、かつての「幸福な家族像」へのこだわりも希薄なため、可能性があるともいえる。
→問題は、むしろ女性の(物欲と男性への依頼心を基盤とした)保守的な幸福観。こっちはどうしたら転換するもんでしょうかね〜(笑)。
→最後に残るのは、女子の保守的欲望か!?


とまあ、こんな感じです〜。
ご興味ある媒体さまは、どの部分でも書かせてくださるならありがたいです〜。
というか。
このトピック。
検討するにつけ、家族関連行動、消費社会論、セクシュアリティ、それに女子カルチャー/男子カルチャーの現在、といった問題を複合的に目配りできるうえ、例として話すと学生の食いつきもいいので(笑)。
あと、カットせねばならなかった要素も、大量にたまっていますし。
まとめて本にしたいところですね〜。
今、依頼をいただいているハードカバーの評論に所収しようかとも思ったのですが。
学生の教科書ないしは参考書指定にしたいので。
できれば、学生が手に取りやすい安価でコンパクトな新書形式か何かで出せないかな〜、と考えています。
10月で、今書いている新書原稿をあげたいので。
それが終わったら、営業しようと思っていますが。
ご興味のある出版社さんは、ぜひお声がけください〜。


さて、以下告知です。
また、横浜でポエトリー・リーディングやります。


2009年11月1日(日)
15:00 OPEN
15:30 START
於・本牧ゴールデンカップ水無田気流
ポエトリー・リーディング
1 + 1 = 1
http://goldencup.jp/live.html 
tel:045-623-9353 
電車:JR根岸線山手駅 
バス:横浜東口4番乗場より105系本牧車庫前ゆき 
本牧2丁目停留所下車
No music charge! Drink \500〜