大五郎迷子になる

わが一子大五郎(仮名)は、現在3歳1か月目突入。
……やんちゃです。
そして、本日。
人生、最大の迷子になりました〜。


私は今朝から風邪気味でして。
もー喉は痛いは、だるいは、微熱は出るは。
で。
当然。
……出かける気力はなかったのですが。
大五郎。
久しぶりの晴天に、起きた時から「おんもいくだの! おんもいくだの!」
と、おおはしゃぎ。
寝込む母の腹に乗って飛び跳ね。
それでも起きない母に、フットサル用ボールをなげつけ。
「おんも! おんも! おんも!」
……………でかけました。


大五郎は、いつも以上にテンションが高く。
満面の笑顔で走り回っていました。
いつも散歩しているこの公園は、かなり広く。
遊具場も、アスレチック機材も充実しており。
しかも、丘あり、林あり、バーベキュー場もあり、スカッシュ場もあり、と。
思うに、大五郎がものすごく元気に育ったのは、毎日のようにここに来て走り回っているからではないかとすら思うんですが。


さて、この公園。
土日には遠くから自動車で来る家族連れも多いんですね。
本日も、にぎわっていました。
最初のうち、大五郎は、私の顔を見ながら、その辺を走り回っていただけだったのですが。
そのうち、周囲の同年代の子に次々とちょっかいをだし。
ケラケラ笑いながら走り回り……しているうちに、公園中央の丘の先にまっしぐら。


ちょっと〜。
……まってくれ〜……!


と思い。
あわてて後を追ったのですが、風邪で具合も悪く、走るとせきこんでしまい。
よたよた走って丘の向こう側にたどりついたときには。
もう。
……大五郎の姿はありませんでした。


もー、半泣きになりながら探し回ること数分。
いや、もしかしたら十分以上だったかもしれませんが、動転して覚えてはおりません。
数日前、大五郎はバスロータリーに走りだし、バスにひかれかけたばかりなのです。
今回も、広い公園とはいえ、道路にでられたらどうしよう。
なんで追いつけなかったんだろう。
このまま永久に会えなかったらどうしよう。
どうしようどうしようどうしよう〜。
そういえば、前に読んだ論文で、
「公園で遊ぶ子どもの行動を観察すると、自由に走り回っているようで、その実、母親が視界から消えぬように、子どもたちは母の周囲を注意深く回り、時に立ち止り、母の存在を確認しながら遊んでいるのである」
とかって書いている研究者のおじさまがいたけど。
……………嘘じゃん(涙)。
大五郎なんて、走り出すと親の方は振り向かねーわ、興味の赴くまま突っ走るわ、めちゃめちゃ母の存在を気にしないじゃん!(号泣)


と思いつつ。
埒が明かないので、とうとう公園管理局事務所に赴き。
これくらいの身長のこういう服を着た三歳児が行方不明です(涙)。
と言って、アナウンスをかけていただきまして……。
その後も探し回ったのですが。


それにしても。
子育てしていると、人様の情けが身に沁みます。
「こういう男の子、見なかったですか?」
と、風邪+半泣きで、鼻声の怪しい風情の女がたずねても。
みなさん、本当に心配して、親切に対応してくださって(たんに、非常に哀れだっただけかもしれないですが)。
中には、
「一緒に探しますよ!」
とおっしゃってくださる宴会中のグループさんまでいらっしゃって(お楽しみ中、すいません)。


みなさんで、探し回ること数分。
ふと、アナウンスが……。
「お子さん、見つかったみたいですよ!」
と言われ。
ダッシュでお礼を言って、超ダッシュで公園管理事務所へ。


大五郎。
擦り傷ひとつなく。
にこにこ走り回っておりました……。


事務員のおじさんに聞いたところ。
むこうから、ものすごいスピードで走ってくる小さい子がいた。
1人だし、風貌が私が話したものと同じだった。
そこで、アナウンスをかけた。
……とのことで。
すいませんすいませんありがとうございますたすかりましたほんとうにごめんなさい〜。
と。
動転していたので、もしかしたら酸欠の金魚よろしく口をぱくぱくさせていただけかもしれないんですが。
ともかく。
大五郎を、捕獲できました……。
それにしても。
公園管理局は、大五郎が消えた方角とは、真逆。
いうなれば、芝居なら上手からはけた役者が、下手からでてくるようなものです。
どうなってるんでしょうか〜。
このコース。
大五郎の走った先〜おじさんの見た登場角度を考えると。
優に1キロはダッシュで走って来たらしいのですが、まったく疲れた様子もなく、飛び跳ねています。


しかも、腹が立つことに。
大五郎に「どうしてママから離れたの!」
と叱っても。
「すっごいはやかったね〜! すっごいはやかったね〜! はやくはしりたいだね〜!」
と得意げ+捕獲されて不満そうです……。
どうも、自分の脚力の限界まで走ってみたかったようです(たびたびそういうことはあるのですが、いつもタックルで止めていました)。


うちの子はもー元気すぎて、やんちゃで手がつけられないんですよ〜。
と言うと。
たいていの方は、笑顔で、
「元気でいいですね〜」
とおっしゃってくださるのですが。
元気すぎて。
……大変です(涙)。
考えたら、胎児のころから蹴りが強くて痛いほどで。
そして超音波写真で一番最初にお医者さんに褒められたのは、
「い〜い大腿骨ですね〜!」
でした……。
そして。
本当にその通り。
走り回り、飛び回り、まじで大変です。
すばしこくて、つかまえるのに一苦労……。
最近、私が公園で相手をするのはもう限界なので、幼児用のサッカー教室にでも入れようかと思い始めた今日この頃です……。